弥生株式会社からリリースされている「やよいの給与明細オンライン」を試してみました。
年末調整などを含む給与事務全般をできるわけではありませんが、給与計算と給与明細の作成に機能を絞っており、手計算やExcelで給与計算をしている方であれば、導入してもいいかもしれません。
目次
やよいの給与明細オンライン
やよいの給与明細オンラインはクラウド型の給与計算ソフトで、インターネットにつながっていればInternet ExplorerやGoogle Chromeなどのブラウザで使うことができます。
主な特徴は次のとおりです。
- クラウド型なので複数のPCで使える
- 給与計算と給与明細、賃金台帳の作成に特化している
- 社会保険料の料率や源泉所得税は自動で更新・計算してくれる
- 年末調整はできない
- 社会保険の算定基礎届の作成、労働保険料の集計はできない
利用料金はこうなっています。
10名以内なら月額450円(税抜)、年払い4,500円(税抜)で、30名以内なら月額1,200円(税抜)、年払い12,000円(税抜)です。
追加が発生した場合には1名あたり月額200円(税抜)で追加できますので、プラン10で11名になった場合でも、プラン30に変更しなければいけないということはありません。
プラン10で13名だと月額1,050円(税抜)、14名だと月額1,250円(税抜)ですので、14名以上はプラン30にするほうがおトクですね。
やよいの給与明細オンラインでの入力
このような明細書に入力しますが、従業員台帳で標準報酬月額や扶養人数などを設定しておけば、控除項目は自動的に入力されますが、住民税だけは手入力する必要があります。
時間給の基本給など単価が決まっているものは事前に単価を設定しておけば、就業時間を入力するだけで基本給などを計算してくれます。
月給の基本給など毎月定額の項目の場合は、最初の月の明細書に金額を手入力すれば、次月以降の明細書の作成の際に、次のようにチェックマークを入れておけば、前月の金額をそのまま適用してくれます。
これは給与天引きされる住民税も同じですが、住民税の場合、6月と7月以降で金額が変わるので、注意が必要ですね。
あと、もうひとつ注意が必要なのが、金額を入力する際は、半角英数モードで入力しないといけないことです。全角で入力したら数字が0になってしまいました。
明細書は紙で印刷することも、PDFで保存することもできます。
やよいの給与明細オンラインのいいところ
給与計算と明細書の作成に特化しているので、機能はシンプルです。
年末調整は税理士事務所にお願いしているのであれば、給与データをCSVデータではき出すことができるので、そのCSVデータを税理士事務所に渡せば、年末調整でもデータを使うことができます。
紙に手書きしている場合や、Excelで計算しているけども社会保険料や源泉所得税は毎月手入力しているような会社であれば、社会保険料率改定の際にありがちな計算間違いなどを防げますので、導入するメリットはありそうです。
あとはクラウド型なので、使用するパソコンを選ばなくていいというのもメリットです。
やよいの給与明細オンラインの残念なところ
過去にさかのぼって導入できない
給与計算に特化しているからなのでしょうが、その月の前月までしか過去の明細を入力できないので、年の途中で導入した場合は、導入月の前々月以前の入力ができません。
私は今回、5月からテストで導入したところ、4月分は入力できましたが、3月分以前は入力することはできませんでした。
毎月定額の項目の設定がもうひといき
月額の基本給や給与天引きの住民税など毎月定額の項目は、その月の明細を作成する際に前月の金額をコピーするという方法になっています。
これだと、前月がたまたまイレギュラーだったときは、また前々月の金額を手入力しないといけなかったり、住民税の場合は6月と7月以降で金額がかわるので、従業員台帳などに毎月定額の項目を入力する欄や、住民税の欄があったほうがいいかなと思います。
まとめ
クラウド型の給与計算ソフトは、他にもMFクラウド給与や給与計算ソフトfreeeもありますが、これらは年末調整や社会保険事務もできる万能型であるのに対し、やよいの給与明細オンラインは給与計算にのみ特化しているソフトです。
その分値段もMFやfreeeの4分の1くらいで使えるので、給与計算は自社で、それ以外は外部委託している会社であれば、、利用してみる価値はありそうです。
税理士事務所から見ても、手書きや独自で作られたExcelの給与明細一覧表でデータをもらうよりも、やよいの給与明細オンラインで作成したCSVデータをもらうほうが、計算に信憑性がありますし、給与ソフトや税務ソフトに取り込みやすいので、ありがたいですね。
◆編集後記◆
事務所の温度計を見ると29℃になっていましたが、足元にはまだ電気アンカがあります。
なんか足の裏を温めると疲れにくくて、まだこの時期でも使っています。
クセになっていますね。
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山端一弥
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