税理士試験の科目選択で考えていたコト

科目合格制で受験科目を選択できる税理士試験では、科目の選択によって受験年数やその後の仕事のスタイルへの影響は多少なりともあります。

私も受験科目の選択において色々と考えていました。

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目次

合格重視か実務重視か

税理士試験を突破するには、必修の会計科目2科目と税法3科目の合計5科目に合格しなければいけません。

また税法3科目は、法人税と所得税は最低どちらか一方には合格しなければなりませんが、残り2科目は科目の兼ね合いによっては選択できないものがあるものの、基本的に自由に選択できます。

合格重視で考えれば、比較的合格しやすい科目、ボリュームの少ない科目を選択するという手がありますし、実務を重視すれば、実務で必要な科目を選択するという手もあります。

ただ、合格重視にしてボリュームの少ない科目を選択しても、ライバルもボリュームが少ないわけですから、それはそれで大変で、官報合格リーチの人が受験していることも多く、ワンミスで命取りになるとも言われています。

実務重視の場合は、実務に直結していることも多いので、実務と勉強の相乗効果が高い反面、ボリュームが多く、勉強時間はかなり必要になってきます。

科目の選択は本当に悩ましいです。

私がした選択

実務重視の科目選択

私の場合は、実務重視の科目選択でした。

元々私は前職の営業職でうまくいかなかったので、「何か手に職を付けられればいいかな」という気持ちで税理士業界に入ったこともあり、「早期に合格してすぐに独立したい」という願望はありませんでした。

なので、2年とか3年で合格する必要性は感じておらず、また早期合格のためには受験に専念する必要がありますが、当時の私はフリーターからやっと税理士事務所のパートとして、税理士業界に潜り込んだところで、経済的にも余裕がありませんでした。

コツコツ勉強しながら働いて、知識と経験を積みながら少しずつステップアップしていく方が私の性分にも合っていましたし、合格のためだけの勉強よりも実務での実力がつく勉強がしたかったので、実務重視の科目を選択をしました。

1年1科目合格で5年で合格の予定が8年かかりましたが、今もこの選択については後悔はなく、むしろよかった思っています。

実務重視の科目もすべては選択できない

一般的に実務で必要とされる税法科目は、法人税、所得税、消費税、相続税のいわゆる国税四法です。

このうち選択できるの3つだけですから、どれかひとつは外す必要があります。

ただ、実務をする上ではどれも重要で、私も非常に悩みました。

簿記論、財務諸表論を合格後に、まず実務でこれは絶対必要だろうということで法人税を選択(4年かかりました)。

法人税を1年受験後、当時の事務所を辞めて1年間の限定で受験に専念にし、法人税と並行して消費税を受験しました。

ここまでは迷いなしでした。

さて、最後の1科目をどうするか。

当初は、受験に専念にしていた年の試験後から合格発表までの期間に、専門学校で相続税の年内完結の講座を受講していましたので、最後の1科目の候補は相続税でした。

結局、その専念した年は法人税、消費税ともに撃沈で、相続税の勉強は中断し、再び法人税と消費税との戦いへ戻りました。

幸い消費税はその翌年に合格しましたが、法人税は結局4年かかってしまい、かなり疲弊しました。

最後は相続税というところだったのですが、法人税とともに相続税の受験生のレベルも高いと聞いていたことや、所得税は法人税の影に隠れているせいか受験生のレベルはそう高くなく、また、法人税と被っているところもかなりあるので、法人税を受験した人ならアドバンテージがあるということを聞いて、所得税を選択することにしました。

実際に受験してみて、法人税を4年受験したというアドバンテージはかなり大きく、1年目は不合格でしたが、1年目から専門学校では上位で勝負でき、結局、2年で合格することができました。

もし相続税を選択していたら、5科目合格までもう少しかかっていたかもしれません。

結局どの科目が正解?

科目選択の正解は人それぞれで、合格重視の科目を選択した人でも、合格後に実務で使う科目をあらためて勉強すればいいでしょう。

ただ私の場合、試験合格というモチベーションがあったからこそ、集中して勉強できましたが、今から相続税の勉強を受験生並にしようとしても、合格という目標がありませんから、あのころほどの吸収力はないかもしれません。

独立してからあらためて思うのは、「相続税を受験していれば、独立後の仕事のひとつの柱にできたのになぁ」ということです。

もちろんそれに伴う実務経験も必要ですが、基礎控除の引き下げで相続税の需要は増していますから、やはり受験しておけばよかったかなという思いはあります。

ずっと税理士事務所で勤務するのであれば、私のように法人税、消費税、所得税でもよいとは思いますが、独立を考えるなら相続税は捨てがたいです。

じゃあ相続税の代わりにどの科目を捨てるかというと、それも悩ましい質問ですが、あえていうなら所得税でしょうかね。

法人税と被っている論点が多いですので、所得税特有の論点をカバーできれば何とかなるかなと。

でも所得税も捨てがたいです^^;

◆編集後記◆
義父がiPhone7に、義母がiPhoneSEにしたこともあり、新しいiPhoneが欲しくなってきました。現行モデルかもう2,3ヶ月待って新モデルにするか、これもまた悩ましいところです。

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山端一弥

大阪市阿倍野区の税理士です。 税理士事務所での10年間の修行を経て独立開業しました。 このブログは税務・会計・IT・趣味などについて「少しでも誰かの役に立てれば」という思いで書いています。 詳しいプロフィールはこちら