消費税の免税事業者が課税事業者になる場合、免税期間に仕入れた商品に含まれる消費税額を納める消費税額から差し引くことができます。
この調整は消費税の申告書上で行うのですが、弥生会計での調整のやり方を説明します。
目次
棚卸資産に係る消費税額の調整とは
消費税では、免税事業者が翌期から課税事業者になる場合、免税事業者であった期間に仕入れた商品・材料などの棚卸資産に含まれる消費税額を、課税事業者になった課税期間において売上に係る消費税額から控除することができます。
→納める消費税額が減少
逆に、課税事業者から免税事業者になる場合は、課税事業者の期間に仕入れた棚卸資産に含まれる消費税額は、その課税期間の仕入れに係る消費税額から控除しなければなりません。
→納める消費税額が増加
前期免税事業者が当期から課税事業になる場合
弥生会計での入力方法は、申告書に入力する方法と仕訳で入力する方法があります。
売上高 1,080,000円(税込)
期首商品 540,000円(税込)
消費税率8%
申告書に入力する方法
消費税法での正式な方法は申告書に入力する方法です。
①グレーの四角枠をクリック
②課税売上対応の欄に期首棚卸資産の税込金額×6.3/108(国税部分)
③OKをクリック
④13欄に仕入れに係る消費税額の加算調整額が自動的に表示されます
この付表2で調整する消費税額は国税部分のみです。
消費税率8%の場合の内訳は、国税6.3%・地方消費税1.7%になります。
ちなみに消費税率10%の場合の内訳は、国税7.8%・地方消費税2.2%になります。
申告書に加算調整額が反映されます。
仕訳で入力する方法
決算整理仕訳で次のように入力します。
期首商品棚卸高の税区分は通常は”対象外”ですが、仕訳で期首棚卸資産に係る消費税額を加算調整する場合は、”課対仕入8%”と入力します。
付表2は次のようになります。
13欄には何も金額は入らず、9欄の課税仕入れに係る消費税額に期首棚卸資産に係る消費税額が含まれます。
申告書上の金額は、申告書に入力する方法と同じになります。
課税事業者が翌期から免税業者になる場合
売上高 1,080,000円(税込)
仕入高 756,000円(税込)
期末商品 216,000円(税込)
消費税率8%
申告書に入力する方法
仕入れに係る消費税額の減算調整なので、マイナスの金額を入力します。
①グレーの四角枠をクリック
②課税売上対応の欄に期末棚卸資産の税込金額× ー6.3/108(国税部分)
③OKをクリック
④13欄に仕入れに係る消費税額の減算調整額が自動的に表示されます
申告書に加算調整額が反映されます。
仕訳で入力する方法
決算整理仕訳で次のように入力します。
期末商品棚卸高の税区分は通常は”対象外”ですが、仕訳で期末棚卸資産に係る消費税額を減算調整する場合は、”課対仕入8%”と入力します。
付表2は次のようになります。
13欄には何も金額は入らず、9欄の課税仕入れに係る消費税額から期末棚卸資産に係る消費税額が控除されています。
申告書上の金額は、申告書に入力する方法と同じになります。
まとめ
申告書に入力する方法と仕訳で入力する方法のどちらの方法を採用しても構いません。
私は、申告書に入力する方法だと失念する可能性があるなと思ったので、仕訳で入力する方法でやっています。
免税事業者から課税事業者へ、課税事業者から免税事業者に変わるということはそんなに頻繁にはないので忘れがちです。
特に課税事業者から免税事業者になるパターンは少ないと思われますので注意が必要です。
◆編集後記◆
1歳の長女が妻の体にボールペンで落書きをしていました。
物を箱に隠したりと日々知恵をつけてきているなと感じます。
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山端一弥
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