税理士試験で私が実践していた同一税法科目2年目以降の勉強方法

実務問答集

税理士試験は科目合格制の試験です。

その科目を1年目で合格できる人もいますが、同一科目を2回、3回と受験する人は少なくありません。

私も1年目で合格したのは財務諸表論だけで、その他の4科目は複数回受験しています。

そこで今回は、私がやっていた同一税法科目の2年目以降の勉強方法を紹介しますので、少しでも参考にしていただければと思います。

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目次

私の税理士試験受験歴

以前に書いた税理士試験の勉強方法の記事にも書いていますが、私の受験歴はこんな感じです。

2002年 簿記論受験 → 不合格
2003年 簿記論、財務諸表論受験 → 2科目とも合格
2004年 法人税法受験 → 不合格
2005年 法人税法、消費税法受験(1月から8月まで受験専念)→ 2科目とも不合格
2006年 法人税法、消費税法受験(2月から税理士事務所勤務)→ 消費税法のみ合格
2007年 法人税法受験 → 合格
2008年 所得税法受験 → 不合格
2009年 所得税法受験 → 合格

税法は、法人税法4回、消費税法2回、所得税法2回とすべて複数回受験しています。

負け惜しみではないですが税法科目は複数年勉強したほうが身につく気がします。

独立した現在でも、新しい税法の知識の仕入れはもちろんしていますが、ベースとなる知識は税理士試験受験時代に培われたものが大きいと私は感じていて、今でも受験時代に作成したノートを見返して確認したりしています。

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同一税法科目2年目以降の勉強方法

実務問答集をチェック

私が実践していたのは、すごいテクニックとか一発逆転を狙えるようなものではなく、どちらかというと地味でコツコツやるタイプの方法です。

その方法は、冒頭のアイキャッチ画像にあるような実務問答集をチェックすることです。

実務問答集はその名のとおり、実務で「こういうときはどう取り扱うのかな?」というときに使うことが多いですが、税理士試験でも役立ちます。

もちろん実務問答集を丸暗記したわけではなく、読み物として捉えていました。

実務問答集の問に対して自分の答えが問答集の答えと一致していればそのまま流して、自分の答えと問答集の答えが違うもののみマーカーを引いてチェックしていました。
実務問答集目次

そして、後日、チェックした間違っていた項目をおさらいしていきます。

この方法を思いついたのは、私が税法の受験をしていた2005年あたりから実務的な問題が出題される傾向になったことです。

専門学校の勉強だけだと受験問題にでるような”直球”は打てるようになりますが、実務的な出題のような”変化球”が来たときの対応が問題になります。

そこで、2回目の受験ですと一通り勉強しているわけですから、ある程度の基礎はできているはずで、そこにプラスアルファとして実務問答集で実務的な知識を上積みすれば、チョットでも抜け出せるかなと考えたわけです。

この方法を実践したのは消費税法と所得税法で、法人税法では余裕がなくできませんでした。

結果的に、実践した消費税法と所得税法は2年目で合格し、法人税法は4年かかってしまいました。

消費税法は課税・非課税の判定があること、所得税法は所得区分の判定があることなど、ある意味◯×クイズに近いものがありますので、そういうところを実務問答集を読んで知っていれば、それだけでも優位に立てます。

なので消費税法と所得税法は実務問答集と相性の良い科目かもしれません。

実務問答集の効果

実は、私が受験したときに実務問答集に載っていたことがそのまま出題されたというのは1個か2個ぐらいなのです。

なので、時間をかけた割に効果はなかったように見えますが、そういった直接的な効果よりも、他の受験生よりもプラスアルファの勉強をしているという自信と、実務問答集を読むことにより、普段の勉強でインプットした知識を実務寄りにアウトプットできたことが良かったのではないかと感じています。

普段ブログを書いていても感じていることですが、研修やセミナーなのでインプットした知識をブログでアウトプットした方が自分の身になっています。

テストや問題集を解くのもアウトプットですが、実務問答集でアウトプットするとまた違った効果があるような気がします。

実務問答集を使うことの注意点

実務問答集を使うのは、いいことばかりでなく気をつける点もあります。

余裕のない1年目はしない

1年目は基礎ができていないことや、理論を覚えるのに時間を費やしますので無理して実務問答集を読む必要はありません。

あくまでもベースの知識があったうえでのプラスアルファなのです。

問題を深追いしない

実務問答集で見たことある問題だと思うと解きたくなりますが、難しく時間がかかる問題を深追いするのは税理士試験ではタブーです。

ひと手間ふた手間ぐらいで解けるいわゆる”Aランクの問題”から手を付けることが大事です。

まとめ

普段から実務に触れている”働きながらの受験生”の方は、実務的な問題が出てもある程度対応できるかと思います。

しかし、受験専念で税理士事務所や会計事務所で働いた経験がない方は、実務的な問題が出たときのために実務問答集を読んでみてはどうでしょうか。

私は8年間の受験生活のうち7年間は働きながらの受験でしたが、実務問答集を読んでいて良かったなと感じることは、受験のときもそうですが、普段仕事をしているときでもあります。

◆編集後記◆
税理士試験の合格発表が近づいているせいか、以前に書いた私の勉強方法の記事のアクセスが増えていたこともあり、今回の記事を書いてみました。
この時期は本当に落ち着かないんですよね。

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山端一弥

大阪市阿倍野区の税理士です。 税理士事務所での10年間の修行を経て独立開業しました。 このブログは税務・会計・IT・趣味などについて「少しでも誰かの役に立てれば」という思いで書いています。 詳しいプロフィールはこちら